車の寿命は何キロまで?限界走行距離と買い替え判断の基準を解説
車の走行距離の寿命が気になり「そろそろ限界かも」と迷う方向けに、走れる距離の目安と買い替え判断の基準を解説します。
走行距離と車の寿命の関係性
「車 走行距離 寿命」と検索する方は、「10万キロを超えたら終わりなのか」「今の車をあと何年乗れるのか」が気になっているのではないでしょうか。
ここでは、昔よく言われた定説と、現代の車の実態との違いを整理しながら、走行距離だけに振り回されない考え方をお伝えします。
現代の車は昔と違う10万キロの目安
ひと昔前は「10万キロ=車の寿命」とよく言われてきました。
理由は、当時はエンジンや足回り、電装系の耐久性がいまほど高くなく、10万キロを超えたあたりから大きな故障やオーバーホール(分解整備)が必要になるケースが多かったためです。
しかし、現在はエンジンオイルや燃料の品質、製造精度などが向上し、適切なメンテナンスを続ければ20万キロ前後まで大きなトラブルなく走る車も珍しくありません。
海外の街中では、メーターが30万キロを超えた車が普通に走っている例も多く見られます。
つまり「10万キロだから買い替えなければならない」というより、「10万キロを節目として、整備状況と車両の状態をしっかり見直す」というイメージに変えておくとよいでしょう。距離と寿命を機械的に結びつけるのではなく、使い方や整備履歴を含めて総合的に判断することが大切です。
車の平均使用年数は13.35年
自動車検査登録情報協会が公表しているデータでは、乗用車の平均使用年数は約13.35年とされています。
データはこちらからご覧いただけます。
※リンク先:自動車検査登録情報協会HP
これは、故障して動かなくなってしまうまで乗っているというより、税金や維持費、ライフスタイルの変化などを踏まえて、10〜15年の間で買い替えるユーザーが多いことを意味します。
目安としては、年式が10年・走行距離が10万キロ前後になってくると、足回りやゴム部品、電装系などに不具合が出やすくなります。
車の走行距離と寿命の関係は、単純な数字だけでなく、年数とセットで考えると現実に近い判断がしやすくなります。
走行距離よりも重要な要素
車の寿命に影響するのは走行距離だけではありません。同じ10万キロ走行でも、こまめなメンテナンスを受けてきた車と、ほとんどオイル交換をしていない車とでは、残りの寿命が大きく変わります。
とくに重要なのは次の3点です。
- 年式(経年劣化):金属疲労やゴム類の劣化、配線の腐食などは年数とともに進行します。
- 日頃のメンテナンス状況:エンジンオイルや冷却水、ATフルードなどを適切なサイクルで交換しているかどうか。
- 保管環境・使用環境:青空駐車かガレージか、積雪地域か沿岸部かといった環境も錆や痛みに影響します。
車の走行距離の寿命を考えるときは、このような背景をセットで確認しましょう。手放しの際は走行距離だけを理由にするのではなく、今の車をきちんと点検してもらい、まだ乗れる状態なのかを専門家に見てもらう方が納得感の高い判断につながります。
【タイプ別】車の寿命と限界走行距離
同じ走行距離の寿命の話でも、ガソリン車・ハイブリッド車・電気自動車・軽自動車など、車種やパワートレーンによって寿命の考え方は少しずつ異なります。ここでは、一般的な目安としてタイプ別の限界走行距離のイメージを整理しておきましょう。
ガソリン車の寿命目安
一般的な国産ガソリン車の場合、エンジン本体そのものは比較的丈夫で、適切なオイル交換を続けていれば20万キロ前後まで大きなトラブルなしに走る例も多くあります。
一方で、寿命を左右するのは次のような周辺部品です。
- オートマチックトランスミッション(AT)やCVTなどのミッション系
- サスペンションやブッシュ類などの足回りパーツ
- ステアリング系やブレーキ系統
これらの部品は、走行距離が伸びるにつれて劣化し、10万〜15万キロ以降でまとまった修理費が発生するケースが増えてきます。走行距離の寿命を考えるとき、ガソリン車では「エンジンはまだ元気でも、他の部品への投資がどこまで許容できるか」がポイントになります。
ハイブリッド車の寿命目安
ハイブリッド車は、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせた構造のため、エンジン側の負担が軽く、エンジン自体の寿命は長めといわれます。その一方で、駆動用バッテリーの寿命がボトルネックになりやすいのが特徴です。
駆動用バッテリーは、充放電を繰り返すことで少しずつ性能が低下し、走行距離の増加や年数の経過とともに交換が必要になることがあります。一般的には、10万〜15万キロ、または10年前後がひとつの目安とされることが多いです。
交換費用は車種によって大きく異なりますが、数十万円規模になることもあるため、交換のタイミングで買い替えを検討するオーナーも少なくありません。
電気自動車の寿命目安
電気自動車(EV)の場合、エンジンがない代わりに大容量のリチウムイオンバッテリーが車の心臓部です。
寿命を左右する主な要素は、
- 充放電の回数(急速充電の頻度を含む)
- 温度環境(高温や極端な寒冷地での使用)
- 経年劣化
となっています。
メーカーによっては、バッテリー容量の一定低下までは「製品保証」として年数・走行距離の保証ラインを設けています。ただし、保証範囲は「バッテリー本体の不具合」に限られることが多く、充電設備や配線などのトラブルは別扱いになることもある点には注意が必要です。
EV車で走行距離の寿命を考えるときは、「何キロ走ったか」より「バッテリーの最大容量が現時点でどれくらいか」を見ることが現実的な判断材料になります。
軽自動車の寿命目安
軽自動車は、排気量660ccという限られたエンジンで車体を動かすため、普通車に比べてエンジン回転数が高くなりがちです。そのぶん、同じ走行距離でも内部への負荷が大きくなり、やや寿命が短い傾向があるといわれます。
とはいえ、最近の軽自動車は耐久性も向上しており、10万キロを大きく超えても問題なく走り続けている車も多数あります。こまめなオイル交換やフィルター交換などの基本メンテナンスを怠らなければ、イメージほど極端に短いわけではありません。
走行距離に応じた部品交換と費用の壁
走行距離が増えると、エンジン本体よりも先に消耗品や補機類に交換のタイミングが訪れます。ここを理解しておくと、車検や点検の見積もりに驚かずに済み、走行距離の寿命を冷静に判断しやすくなります。
5万キロで交換が必要な部品
走行距離が約5万キロに達するころ、次のような部品の交換が必要になるケースが増えます。
- タイヤ(摩耗やひび割れ)
- バッテリー(始動性の低下)
- ブレーキパッド(残量の減少)
これらは比較的安価な消耗品ですが、まとめて交換すると数万円~十数万円の出費になることもあります。ただし、安全性に直結する部分なので、ケチらず適切なタイミングで交換することが重要です。
10万キロで交換が必要な部品
走行距離が10万キロ前後になると、次のような部品の交換をすすめられることが多くなります。
- タイミングベルト(切れるとエンジンが壊れるリスク)
- ウォーターポンプ(冷却水漏れや異音の予防)
- スパークプラグ(点火不良の予防)
これらは部品代だけでなく工賃も高めで、車種によっては10万円前後の費用になることもあります。ここで「まだ乗り続けるか」「買い替えるか」を検討する方が多く、車の走行距離の寿命を考えるうえで大きな分岐点といえるでしょう。
15万キロ以上で発生しやすい高額修理
走行距離が15万キロ以上になってくると、次のような高額修理が発生しやすくなります。
- オルタネーター(発電機)の故障
- エアコンコンプレッサーの故障
- 足回りのブッシュ類やショックアブソーバーの劣化
これらは1つでも数万円〜十数万円かかることがあり、複数同時に重なると車両の市場価値を超える修理費用になるケースもあります。このあたりが、経済的に見た走行距離の寿命のラインとして意識されやすいポイントです。
車の寿命が近づいている危険なサイン
走行距離の多さとは別に、「この症状が出ているなら早めに点検・買い替えを検討した方が良い」というサインがあります。ここでは、車の走行距離の寿命を判断するときに見逃したくない代表的な症状を紹介します。
エンジンからの異音や振動
エンジン始動時や走行中に、
- 「カラカラ」「カチカチ」といった金属音
- 「キュルキュル」というベルト鳴き
- ハンドルやシートに伝わる大きな振動
などが出ている場合、内部の潤滑不良やベルト・プーリー類の不具合、エンジンマウントの劣化などが疑われます。
放置しても自然に治ることはなく、悪化すると最終的にはエンジン本体の損傷につながる可能性もあります。
マフラーからの異臭や白煙
走行中にマフラーから青白い煙や濃い白煙が出ている、またはオイルが焼けたような異臭がする場合、
- エンジンオイルが燃焼室に入り込むオイル上がり・オイル下がり
- ターボ車であればタービンのトラブル
など、エンジン内部の重大なトラブルの兆候である可能性があります。修理には高額な費用がかかることが多く、冷静に見て、修理するか買い替えるかを真剣に検討すべきサインといえます。
エアコンや電装系の不具合
エアコンが効きにくい、パワーウインドウが動かない、メーターやナビの表示がおかしい、といった電装系のトラブルも、年数や走行距離が増えてきた車で起こりやすい症状です。
コンプレッサーやブロワモーター、配線や制御ユニットなど、原因が複合的なことも多く、原因特定と修理に時間とお金がかかるケースもあります。
こうした症状が頻発するようであれば、次の車検まで乗り続けるのか、それとも早めに売却・買い替えを検討するのかを考えるタイミングといえるでしょう。
車を長く乗り続けるためのメンテナンス
車はメンテナンス次第で寿命を伸ばすことができます。ここでは、愛車を少しでも長く、安心して乗り続けるための基本的なメンテナンスと運転のコツを整理します。
定期的なエンジンオイル交換
エンジンオイル交換は、エンジン寿命を延ばすうえで最も基本かつ重要なメンテナンスです。オイルはエンジン内部を潤滑・冷却・洗浄する役割を持っており、劣化を放置すると摩耗が進み、最悪の場合エンジンの焼き付きにつながります。
一般的な目安は、
- 走行距離:5,000〜10,000kmごと
- 期間:半年〜1年ごと
のいずれか早い方で交換することが多いです。ターボ車やシビアコンディション(短距離・渋滞が多い使い方)の場合は、もう少し短いサイクルを推奨されることもあります。
消耗品の適切なタイミングでの交換
次のような消耗品を適切なタイミングで交換することも、結果的に大きな故障を防ぎ、車の走行距離での寿命を伸ばすことにつながります。
- ブレーキパッド・ブレーキフルード
- 冷却水(LLC)
- ATフルード・CVTフルード
- ワイパーゴム・ゴムホース類
小さな不具合や違和感を放置すると、やがて大きなトラブルとして跳ね返ってくることが多いです。「おかしいな」と感じたら早めに点検を受ける習慣をつけましょう。
車に負荷をかけない運転習慣
運転の仕方も、車の寿命に大きく影響します。
- 急発進・急ブレーキを避けることで、エンジンやミッション、ブレーキへの負荷を軽減できる
- エンジンが冷えている状態で高回転を多用しない(冬場は短時間の暖機運転も有効)
- 積載オーバーや無理な牽引をしない
こうした運転習慣を意識するだけでも、足回りやタイヤ、ブレーキ、駆動系などの負担を大きく減らすことができ、結果として「車の寿命」を伸ばすことにつながります。
短距離ドライブを繰り返さない
エンジンが十分に暖まる前にエンジンを止める短距離走行を繰り返すと、燃焼が安定せず、エンジン内部に水分や汚れが溜まりやすくなるといわれています。
可能であれば、1回の走行で10km以上走るシーンを定期的に作ることで、エンジン内部のコンディションを整えやすくなります。とくに通勤や買い物で短距離ばかりという方は意識してみてください。
乗り続けるか買い替えるかの判断基準
ここまで見てきたように、車の走行距離での寿命は数字だけで割り切れるものではありません。実際に乗り続けるか、それとも買い替えるかを判断するときは、経済的な観点とライフスタイルの変化、税金や部品供給の問題などを総合的に見る必要があります。
修理費用が車両価値を超える場合
もっとも分かりやすい判断基準が、修理費用が車両の市場価値を超えてしまうかどうかです。例えば、車の買取相場が20万円前後なのに、エンジンやミッションの修理で30万円以上かかるといったケースでは、修理するより買い替えた方が経済的と考えられます。
この考え方は「経済的な寿命」とも呼ばれ、走行距離がそこまで多くなくても、修理費用と車両価値のバランスで寿命と判断することもあります。
13年経過による税金の増額
多くの車では、初度登録から13年を超えると自動車税や重量税が割増になります。いわゆる「重課税」と呼ばれるもので、古い車ほど税金が高くなる制度です。
走行距離はそれほど多くなくても、年式が古くなることで維持費がじわじわと上がっていく点も見逃せません。これも「車の寿命」を考えるときに、一緒にチェックしておきたいポイントです。
ライフスタイルの変化との適合性
家族構成の変化や通勤スタイルの変更など、ライフスタイルの変化も買い替え判断の大きな要素です。
- 子どもが生まれてチャイルドシートが必要になった
- 両親の送迎で後席の乗り降りがしやすい車が必要になった
- 通勤が電車中心になり、車の使用頻度が大きく減った
このような変化があれば、たとえまだ走行距離に余裕があっても、今の使い方に合った車に乗り換えた方が、トータルの満足度は高くなることが多いです。
生産終了から年数が経過して部品の調達が困難
モデルが生産終了してから年数が経つと、純正部品の供給が少しずつ減っていきます。特に輸入車や限定モデルでは、部品が国内在庫にない場合、取り寄せに時間と費用がかかることもあります。
このような状況では、「車の走行距離の寿命」とは別に、「部品調達のしやすさ」という現実的な寿命も意識した方が良いでしょう。
リセールバリューを気にして売却する際のポイント
「修理して乗り続ける」選択肢だけでなく、リセールバリュー(売却時の価値)を意識して計画的に買い替えるという考え方もあります。ここでは、車の走行距離での寿命を意識しながら、少しでも有利に手放すためのポイントを整理します。
新車登録から5年 / 7年以内が1つの目安
一般的に、
- 新車登録から5年以内:メーカーの特別保証が切れる前で、市場価値も比較的高い
- 新車登録から7年以内:価値はある程度落ち着くが、まだ流通量も多く売却しやすい
といわれることが多いです。走行距離が多すぎなければ、このタイミングでの売却はリセールバリューを取りやすい傾向があります。
自分の車の買取相場を知りたい場合は、買取相場一覧や買取実績ページを確認しておくと、具体的なイメージがつかみやすくなります。
モデルチェンジが発表される前に売る
モデルチェンジの発表は、市場の評価に影響します。新型が出ると旧型は一段価格が下がることが多く、発表前〜発表直後が売却タイミングの目安になることもあります。
また、人気グレードや限定車種の場合は、走行距離が多少多くてもリセールバリューが高く維持されるケースもあります。こうした情報は、輸入車や国産車に詳しい専門店に相談すると具体的なアドバイスが得やすいでしょう。
まとめ
車の寿命は「走行距離=10万キロ」で決まるものではなく、メンテナンス状況・年式・使用環境によって大きく変わります。
現代の車は適切に整備すれば20万キロ前後まで走れることも多く、寿命の判断には費用対効果やライフスタイルの変化、部品供給状況を総合的に見ることが重要です。
走行距離に応じて必要となる部品交換や高額修理のタイミングを理解し、早めの点検や計画的な乗り換えを行うことで、安全性と経済性を両立したカーライフが実現できます。
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最後までご覧頂きありがとうございました。
この記事の著者

潮田 颯人
元々根っからの車好きで現在はインテグラタイプR(DC2)に乗っております。
色々なお車を拝見出来る買取業務はまさしく天職だと感じております。
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駆け引きをせずクリーンな取引を目指しているスマートオートの理念を体現出来るように日々努めております。